08-02;主要症候　調節障害

• 全眼球の屈折力は６０Dですが、そのうち角膜で４０D、水晶体で２０D屈折させている。

老視

• 水晶体による調節力の低下(硬化）
• １０歳代では１０D（ジオブター）程度の調節力があり眼前１０ｃｍまで調節できたのに、４５歳では３Dまで低下して３３ｃｍより近くでは調節しにくくなる。

近視

• 小学生の約３割が視力１．０未満。
• -1Dの近視であれば１ｍ、-2Dの近視であれば50cm、-3Dの近視であれば３３ｃｍで焦点が合います。
• 近視遠視の場合、±２Dまでが軽度、±５Dまでが中等度。-7D以下の近視を病的近視と呼ぶ。
• 眼軸長が1mm長くなるだけで３D近視が強くなる。

　予防

• ２歳までは真っ暗の部屋に寝かせる方がよい。
• 近視児童に累進屈折力眼鏡（遠近両用めがね）をかけると近視の進行が１５％抑制されたとの報告（米国２００４）。

乱視

• ±1Dまでを軽度、±2D以上は高度と判断。

色覚異常

• 先天赤緑異常が一般。全色盲は稀。先天青緑異常はさらに稀
• 色盲、色弱は２００５年に眼科学会が削除。色盲＝２色覚（赤錐体もしくは緑錐体が機能していない）。色弱＝異常３色覚（赤錐体もしくは緑錐体の機能低下）。
• 正常＝正常３色覚

　先天赤緑異常

• 日本人男性の約５％（２０人に１人）、女性の約０．２％（５００人に１人）。X染色体劣性遺伝（伴性劣性遺伝）。女性の１０％が保因者。
• 第１異常と第２異常の比は１：３．０〜３．５。第１異常は赤錐体視物質の異常、第２異常は緑錐体視物質の異常。（１％は赤錐体の異常、４％は緑錐体の異常）

　色覚検査

• 検査表では色盲、色弱、全色盲の診断は全く不可能。第１、第２異常の分類も不可。
• パネルD-15テスト、確定診断にはアノマロスコープ

　一般

• 普通自動車第１種免許取得は可能。点滅信号の赤と黄の識別が困難なことがある。赤信号や車のブレーキランプが正常色覚者よりも近距離でないと確認できないことがある。
• 理工系・医歯薬系大学への進学可能。（平成５年に調査書から削除）
• 平成１３年１０月より雇入時の健康診断から色覚検査が削除された
• 色覚異常を有する者がハンデとなる職種としては印刷、塗装、繊維工業、野菜や魚の鮮度の選定、イラストレーターなど。（平成１５年ではパイロット、航海士、鉄道関連では制限があった）；公安や運輸では今も制限を設けている場合がある。
• 学校では平成１５年度から眼科学校健診項目から削除(2005年）；色覚検査をして初めて自分が異常であることに気付くケースが約半数。色覚異常であることを知らない人が増えている。

斜視

　内斜視

• 乳児内斜視；発症は生後３カ月〜１歳以下。斜視眼は弱視になりやすい。手術が必要。
• 調節性内斜視；発症は１歳半以後。通常は２歳ぐらいから。斜視角は大きくなく適正な遠視の眼鏡矯正を行えば眼位は良好となる。

　外斜視

• 間欠性外斜視で両眼視機能が良好である場合は手術をせず経過をみるが、両眼視機能が落ちてきたり、斜視が恒常性になり斜視角が大きい場合には手術となる。
• 間欠性；普段は両眼ともに正面を向いているのに、疲れてくると片方がずれる。

夜盲

• 代表的疾患は網膜色素変性症（遺伝形式はさまざま）＝視細胞の杆体が変性

複視

• 動眼神経麻痺＝内頸動脈ー後交通動脈分岐部動脈瘤；症状は外転、散瞳、眼瞼下垂
• 瞳孔に至る神経は動眼神経の表面をとおるので圧迫されやすい（虚血による動眼神経麻痺は深層から影響を受けやすく散瞳は起こりにくいと）

コンタクトレンズ

• 装用人口は１７００万人
• コンタクトスポーツでは眼鏡は危ない。ソフトコンタクトが勧められる。
• 強度近視と不同視（左右屈折度数が２D以上異なる）ではコンタクトレンズが勧められる。
• 眼鏡の度数をそのままコンタクトレンズに用いることはできない。
• 扱いがずさんであるならレーシックの方が危険が少ない。
• 不正乱視（外傷などで角膜表面がギザギザになった状態）では、ハードコンタクトレンズは、涙が不正な角膜表面とレンズの間を埋めるので、矯正が可能となる。

　HCLとSCLの違い

• ハードは固いので装用感に劣る。CL処方には度数以外にベースカーブ（BC)とサイズが必要。ハードは厳密に形状に合わせる。ソフトはより外れにくいのでスポーツに適する。

• 酸素透過性はハードの方が優れる（サイズも角膜より小さく瞬目ごとに上下に動く）
• ソフトでも２００４年にシリコンハイドロゲル素材が承認されてからは大幅に酸素透過度は改善。サイズは角膜よりも大きい。
• 乱視はハードの方が矯正力が優れる。
• ハードの方が眼障害時に自覚症状が出やすいので無理な装用をしない分、安全性が高いと言われる。
• シェアとしてはソフト８割、ハード２割。（ハードの方が視力の出方良好、見え方安定、安全性が高いが装用感の差）（ハードの処方率が高い店はそれだけレベルが高いのかも）

　合併症

• ソフトは水道水の洗浄は禁止。ハードは可。
• ソフトには１日使い捨ての１デイ型、２週間で交換の頻回交換型、寿命約１年の従来型（シェアは１割未満）。
• 眼瞼下垂、巨大乳頭結膜炎

　オルソケラトロジー

• 水晶体の屈折力は２０D。角膜の屈折力は４０D
• 角膜上皮の屈折は４D（約１０％）。
• 中等度以下の近視と乱視が対象。